たんぽぽちゃんのワクチンとFIV&コクシジウム感染

たんぽぽちゃん、4/28に3種混合ワクチン1回目とFIV/FelV感染チェックの血液検査を行なってきました。

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右目が少し結膜炎気味です。たんぽぽちゃんは3月3日生まれ(ということにした)なので、まもなく2ヶ月齢になるのですが、ちょうどお母さんからもらった抵抗力(移行抗体)の効き目が切れてくる頃です。おそらくウィルス性の風邪からくるものだろうということで、点眼薬を処方してもらいました。

これをこのまま放置すると、目やにだらけで鼻水ガビガビ、しょっちゅうくしゃみをするレベルまで、あっという間に低下します。体力があれば1週間から10日でだいたい元に戻りますが、お外の子で寒い時期にあたってしまうと、悲しいぐらいにあっけなくぱたぱたと亡くなります。

「このあいだまでかわいい子ねこだったのに、みるみるうちに状態が悪くなり、薄汚れて亡くなってしまった」というのは、2ヶ月の移行抗体が切れた時期にあたるケースが多いように見受けられます。成ねこにはどうということのないウィルスや細菌でも、抵抗力の切れた子ねこにとっては、簡単に命取りになってしまいます。

これを防ぐためには、人為的に抵抗力を付けてやる必要があります。それが「ワクチン」。わたしたちも乳幼児や小学生の時にワクチン接種を受けましたが、ねこも同じです。たんぽぽちゃんが打った3種混合は、「パルボウィルスによる猫汎白血球減少症」「ヘルペスウィルスⅠ型による猫ウィルス性鼻気管炎」「猫カリシウィルス感染症」に対する抵抗力を付けるものです。
4種混合はこれに加えて「猫白血病ウィルス(FelV)感染症」への抵抗力を付けるもので、さらに5種、7種のワクチンが国内では利用されています。

子ねこの最初のワクチン接種時期は、獣医師さんによって見解が異なるようです。ある程度早めに打って、できるだけ抗体の空白期間を短くしよう、という考えの先生もいらっしゃいますし、逆にあまり早く打っても子ねこの体内で抗体が十分に作られないから、ある程度大きくなってから、という先生もいらっしゃいます。たんぽぽちゃんがお世話になっている平野町ペットクリニックでは、打てるなら早めに、という考えで、6週齢・500gを過ぎたあたりからなら(体調がじゅうぶん健康であれば)打ちます、ということでした。

1回目の接種の後、3~4週間空けて、2回目を接種することで、十分な抗体が子ねこの体内には作られることになります。その後は、1年に1回が(日本の場合は)通常の接種間隔になります。

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……なんて長話をしていたら、たんぽぽちゃん、寝ちゃいました。

さて、ワクチンと並んでもうひとつ気になるのが、たんぽぽちゃんのウィルス感染です。FIV(猫免疫不全ウィルス、いわゆる猫エイズウィルス)とFelV(猫白血病ウィルス)の感染の血液検査をしてもらいました。たんぽぽちゃんを診察室に預けて数分後、「ぴきゃーーー!!」という鳴き声が聞こえたのは、たぶん検査用の採血をされたときの抗議の声だったと思います。

15分ほどしてから一度診察室に呼ばれましたが、先生の曇りがちな顔を見て、「あ、出たな」と思いました。予感的中で、たんぽぽちゃんFIV感染でした(FelVは非感染)。おそらく、出産時母猫からの垂直感染だろうと思われます。母猫からの移行抗体が反応している可能性もないではないので、正確を期すには、6ヶ月齢ごろに再検査をするか、あるいはFIVのDNA(プロウィルス)を直接検出する遺伝子検査を行なう必要があります。が、「陰性と思っていたら、陽性だった」では困るけれど、「陽性だと思っていたら、陰性だった」ならそれはそれでいいじゃないか、ということで、とりあえず遺伝子検査までは行なわないことにしました。

さらに、コクシジウム原虫も見つかりました。ただ、たんぽぽちゃんの便の状態はころころした健康なものなので、症状のない「不顕性感染」かもしれません。こちらは、サルファ剤シロップを処方してもらって落としていくことになりました。


FIV感染は、もちろんそうでないに越したことはないのですが、人間の側できちんと管理すれば比較的コントロールできる感染症です。「外には決して出さない」「出血を伴うようなけんかをさせない」「口内炎・歯肉炎・皮膚炎などの症状が出ていないか常に注意する」といったことで、発症を遅らせることは十分に可能です。いわゆる「ねこの適正飼育」条件を守れば、そう簡単に発症することはない、ということになります。

……というわけで、たんぽぽちゃんの里親さん探し、ちょっとハードルが上がりましたが、めげずにがんばっていこうと思います。

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