今年は暖冬予想だったのが一転して寒冬予想に変わりました。南国(?)の長崎でも、12月に入って最高気温が10度を下回る寒い日が多くなっています(北国のひとには笑われるでしょうが)。外にいるねこさんたちの環境も厳しくなってきました。
現場では、冬支度として発泡スチロールハウスをたくさんこさえました。
こんな感じです。何軒あるか数えてみましょう。
13軒あります。No.7はオープンテラス形式です。
No.3にはチャーくん、No.6の手前のサンデッキになおくん。
チャーくん、居心地はどうにゃすか?
No.11にオネエチャン。
No.7のオープンテラスにちゃとらんくん。
No.13にさくらちゃん。写真撮らせてもらおうと、風よけを取ったのでややご立腹。
「寒いじゃにゃいですか」
これらの発泡スチロールハウスは、魚を運ぶときのトロ箱などをSさんが加工したものです。Sさんは、ものすごく器用なんですよ。No.3のチャーくんが入っているハウスの屋根をよくよくご覧になるとわかるかと思います。
冬の外ねこさんの寒さしのぎのためには、こういった発泡スチロールハウスが断熱効果・防風効果の面から最適です。入口をある程度小さくしたり、風よけを前に置いたりして、その上で屋根をきちんと付けてやると、ねこさん自身の体温がハウス内に籠るため、かなりぬくぬくになります。屋根を付けるのがポイントです。熱は上にあがりますので、屋根を付けないとせっかくの体温の熱が逃げてしまいます。
また、入口と地面の間には段差をつけてやらないと、雨が入り込んでしまいます。床にちょっと穴を開けるなどして、雨水が溜まらないように工夫してやるとよいですね。毛布を入れるのはよいアイディアですが、濡れてしまうと逆効果なので、入口の穴の大きさや向きをうまく考える必要があります。
冬をうまく越させるには、ねこさんたちにしっかりと太ってもらい、ふくふくの毛皮をまとってもらわなくてはなりません。基本的には、カリカリをたくさんあげれば太ります(ただし、不妊化していないメスねこを太らせると、子ねこをたくさん産み育ててしまうことにつながりますので、注意が必要)。そのほかに、オプションとして手軽なのが無塩バター(食塩不使用バター)です。
動物性脂肪ですので、あげすぎるとコレステロールによる高脂血症の問題がでます(ねこもコレステロールはたまります)。また、市販で普通に手に入るバターは有塩ですのでねこには厳禁です(塩分はねこの腎臓に大きなダメージを与えます)。ちゃんとお菓子用の無塩バター(食塩不使用バター)を手に入れて下さい。あげる量としては、普通にカリカリで満たされる必要栄養量に10~15%上積みするような感じで計算してみて下さい。
こちらに「ネコの必要カロリーと食餌量」を計算してくれるページがあります。体重を入力し(だいたい外ねこなら2.5~3.5kgくらい、大きめで4kgを超えるくらい)、「健康な成ネコ」を選んで「計算」ボタンを押すと、1日に必要なエネルギー量の目安が出ます。もしカリカリの100gあたりの
カロリー量がわかれば(だいたい330~380kcalくらい)、グラムあたりに直してくれます。体重3.5kgのねこの場合、251kcalが必要エネルギー量の目安となります。100gで350kcalのカリカリなら72g程度。
これに10~15%を上積みするとして、25~35kcal程度を無塩バターでまかなってやることにします。バターは1gあたり7.5kcalですので、3~4gってとこでしょうか。1日2回カリカリをあげているなら、その都度2g弱(小指の第1関節から先くらい)のバターを、カリカリに乗っけてやる感じです。もう少し少なくてもいいですし、2回のうち1回だけでもいい。様子を見ながらあげてみて、毛づやがよくなってふくふくしてきたら減らしてだいじょうぶですし、どうもお腹に合っていないようならやめましょう。丸のままでは残すようなら、カリカリに乗っけたバターの上から、熱めのお湯を少したらして溶かしてやると、食べる子もいます。
ねこに動物性油脂を摂らせることは必ずしもよいことばかりではありませんが、やせて抵抗力がなくなり、風邪を引いて、より体力を落とすことと比べればマシです。また、どのキャットフードにも、普通、動物性油脂類は原材料として入っています。食餌量を管理するなかで、試してみる価値はあると思います。
以上、外ねこさんたちの冬じたくでした。